ワクチンで予防可能な疾患にA型肝炎もあります。A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)の感染によって2~7週間と比較的長い潜伏期間をおえてから発熱や全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、黄疸などの急性肝炎症状を起こす疾患のことです。成人では顕性感染が75~90%と多いそうです。また小児の場合も不顕性感染が80~95%と多いそうです。
A型肝炎は、患者さんの糞便中に排泄されたHAVによる経口感染が主のようです。衛生環境が未整備な途上国の場合だと10歳までにほぼ100%が感染しています。そして無症状のまま抗体を保有するといわれています。日本の場合は、上下水道の整備とともに感染機会が減少しました。そして50歳未満での抗体陽性者は極めて少なくなっているそうです。
A型肝炎は1987年に感染症サーベイランス事業の対象疾患に加えられました。全国にある約500カ所の病院定点からは月単位の報告があり発生動向調査が始まりました。その後の1999年4月の感染症法施行よって、急性ウイルス性肝炎の一部として全数把握疾患となりました。また診断した全ての医師に届け出が義務づけられるようになったそうです。
赤ちゃんが生まれて3ヵ月、そろそろ予防接種が始まる頃です。市町村からの通知や母子手帳にも記載されているように、
予防接種についてご紹介します。赤ちゃんはたくさんの予防接種を受けるよう勧められています。しかし、予防接種は、重い病気の免疫を作るためと言いながらも、弱いウィルスを赤ちゃんの体の中に注射しているのです。まだ生まれたばかりの、こんなに小さな体の中に、そして接種の間隔がばらばらなので集団接種の時に体調が悪かったりしたらどうしたらよいのでしょか?
特に第一子の赤ちゃんを育てているお母さんにとって、予防注射はとても緊張感をかき立てるものです。そもそも、予防接種は何のためにおこなうのでしょうか。まず赤ちゃんを危険な病気から守るためです。予防接種をすることで、赤ちゃんの体の中に、その病気に対する免疫ができますので、一生その病気にかからないで済むか、あるいはかかってしまっても、ごく軽く済むことがほとんどです。それから予防接種の対象となる病気は強い感染力を持つものが多いため、一人が感染することによってどんどん広がってしまう場合があります。
そのため流行を防ぎ社会を感染症から守るという目的もあります。私たちが成長する過程において、赤ちゃんが受ける予防接種の対象となる病気(結核、ポリオ、百日ぜき、破傷風、ジフテリアなど)などは、あまり身近に存在するものではなかったでしょう。それらはかつて日本や世界で流行し、たくさんの犠牲者を出した病気なのです。かかってしまうと、治療のすべもなく死に至ってしまうことも珍しくはなかった病気なのです。