予防接種の義務化についてご紹介したいと思います。天然痘の予防接種を呼びかけるためのポスターなどもその当時には作成されたようです。病気が蔓延するリスクを避けるために、様々な時代ごとに国や機関など、それぞれのものが全ての人々に対して予防接種を義務化するための法律を作ってきました。例えば、1853年の法律をみてみましょう。
イングランド・ウェールズ全国では、天然痘予防接種を義務化しており、これに従わなかった人たちからは罰金を徴収しましたた。現在では、アメリカの州共通の予防接種法においては、就学の前に公的予防接種を受けることを義務づけています。その他にもほとんどの国では同じように強制的な予防接種を行っています。日本でも赤ちゃんが産まれると予防接種についての案内などをもらっていると思います。
19世紀から始った初期の予防接種以来から、予防接種の法律化は様々な団体からの反発を引き起こしました。このような団体は包括的に予防接種反対論者(anti-vaccinationist)と呼ばれました。そして倫理的にも政治的にも、また衛生的、宗教的というような色々な観点から予防接種に反対しています。よく見られる意見としては、「強制的な予防接種が個人の問題に対する過度の干渉にあたる」というものがあります。また「推奨されている予防接種の安全性が不十分である」といったものがあります。現代の予防接種法においては、免疫不全の人々やワクチンへのアレルギーを持つ人々、そして強固に反対する人たちへの例外措置を設けています。
赤ちゃんが生まれて3ヵ月、そろそろ予防接種が始まる頃です。市町村からの通知や母子手帳にも記載されているように、
予防接種についてご紹介します。赤ちゃんはたくさんの予防接種を受けるよう勧められています。しかし、予防接種は、重い病気の免疫を作るためと言いながらも、弱いウィルスを赤ちゃんの体の中に注射しているのです。まだ生まれたばかりの、こんなに小さな体の中に、そして接種の間隔がばらばらなので集団接種の時に体調が悪かったりしたらどうしたらよいのでしょか?
特に第一子の赤ちゃんを育てているお母さんにとって、予防注射はとても緊張感をかき立てるものです。そもそも、予防接種は何のためにおこなうのでしょうか。まず赤ちゃんを危険な病気から守るためです。予防接種をすることで、赤ちゃんの体の中に、その病気に対する免疫ができますので、一生その病気にかからないで済むか、あるいはかかってしまっても、ごく軽く済むことがほとんどです。それから予防接種の対象となる病気は強い感染力を持つものが多いため、一人が感染することによってどんどん広がってしまう場合があります。
そのため流行を防ぎ社会を感染症から守るという目的もあります。私たちが成長する過程において、赤ちゃんが受ける予防接種の対象となる病気(結核、ポリオ、百日ぜき、破傷風、ジフテリアなど)などは、あまり身近に存在するものではなかったでしょう。それらはかつて日本や世界で流行し、たくさんの犠牲者を出した病気なのです。かかってしまうと、治療のすべもなく死に至ってしまうことも珍しくはなかった病気なのです。